by gones~ロジャー・フェデラーの言葉

"by gones" = 「前向きに!」 テニスプレーヤー、ロジャー・フェデラー語録。完全なるファン目線です。

このエントリーをはてなブックマークに追加

five minutes later I'm fine again ~2015.6.29 CNNインタビュー その2

引き続き、2015年ウィンブルドン初日のインタビューから抜粋です。

その1はこちら 

luckynak79.hatenablog.com

 

   


あなたは冷静沈着なところがあって、他の選手と比べて、負けてもそれほど堪えていないように思えるけれど?

(Interview by Christiane Amanpour, 今回抜粋個所は、3:59頃から)

 

I think I used to be so emotional when I was younger that I learned from that. I cried too often when I was younger, all the way from, I'd say, 8 to about 20. I was unbelievably emotional. Listen, every time I lost I would basically cry, even as a pro, sometimes on court, sometimes - I couldn't manage to get off the court and then break down, which was better. But eventually I got my act together and now I take it like a man and five minutes later I'm fine again, of course. I'm also disappointed that I have to wait a year until Wimbledon rolls around or until the next Olympics comes around, takes four years. But it's just -- it goes with the territory. You can't win them all but what you can do is give it all you have and once you have no regrets I think you can accept losses also a little bit easier.

 

昔はよく感情的になっていたんだけど、そこから学んだんだ。若い時、8歳から20歳くらいの頃はすぐ泣いてしまって、それはもう信じられないくらいにね。負けるととりあえず泣く、プロになってからもだよ、コート上でもね。まずコートを去ってから泣き崩れるとかならまだましなのにね。でもついには心を引き締めた。今ではきっちり受け止めたら5分後にはもう大丈夫。もちろん、例えばウィンブルドンは終わってしまえば次は1年後、オリンピックなんて4年も待たなくちゃならないから、負けるのはがっかりだよ。でもテニス選手ってそういうものだからね。すべてに勝つことはできないけれど、すべてを出し尽くすことはできる。そうして悔いなくやり切れば、敗戦も少し楽に受け入れられると思うんだ。


ロジャーファンは負けた時こそロジャーの会見での言葉を心待ちにする、というのはよく起こる現象です。今日はダメな日だった、自分のテニスができなかった…というような「よくある回答」で終わらないロジャー会見、これも徐々にご紹介できたらと思っています。敗戦を引きずらないのには家族の存在も大きそうですね。それはまた次で。

試合中は確かに冷静沈着かもしれない、でも優勝した途端に感情を爆発させる姿、悔し泣きではなく嬉し泣きをする姿、その瞬間をファンはいつも待ち望み、願っているのです。 

f:id:Nak79:20160828234259j:plain

 

I love doing what I am doing ~2015.6.29 CNNインタビュー その1

昨年(2015)のウィンブルドン初日、CNNのインタビューです。テニスのこと、子どもの頃のこと、引退のこと、家族のこと、ロジャーの核となるような考え方が、結構網羅されているとてもいいインタビューだったので、よく覚えています。まずはこのインタビューを軸に、少しずつ抜粋しながら、色々と広げていきます。(抜粋の順番は、バラバラです。)

                

 

元プロボクサーのフロイド・メイウェザーはボクシングを”job”と表現し、ある時からそのjobが楽しくなくなったと発言していたけど、あなたはまだテニスが楽しい?

(Interview by Christiane Amanpour, 今回抜粋個所は、6:58頃から)

 

Roger: Yes, no, I don't see it as a job really. I still see it as the - - my hobby that became this dreamland I can move about. Like I explained, for me, it was never -- I never  dreamed this far in my dreams, to be this professional tennis player. So of course going to the gym and going to work out, yes. I would rather do other things at times. But at the end of the day, I know why I'm doing it because I love playing on Centre Court. I love traveling the world and I make a lot of sacrifices to make it all work and I love doing what I'm doing. So I never saw it as a job to be quite honest.

 

 僕はテニスのことを”job”-仕事とは思っていないんだ。というより、この夢のような世界で、趣味を楽しんでいる感覚なんだ。さっきも言ったとおり、自分がここまでのウィンブルドンのタイトルを狙えるような)プロテニス選手になるとは夢にも思っていなかった。だから、ジムに行ったり、トレーニングしたりするのも、もちろんそうじゃなくて別のことをしたい、と思うときもあるけど、結局のところなぜそうするか、それはセンターコートでプレーするのが好きだから、世界中を旅するのが好きだから、色々と犠牲を払ってもそれが実を結ぶようにと、自分のやっていることが好きなんだ。だから正直、テニスを仕事と思ったことはないんだよ。

 

同じころの別のインタビューで、「僕のファンはなぜ僕がプレーするのかわかってるよ」と言っていたのを覚えています。色々な発言を思い返してみると、1. テニスが大好きだから 2. ファンが喜んでくれて、自分が勝つことを望んでくれるから、だと思っているのですが、今回の引用部分は1をよく表していますよね。なぜ続けるのか→好きだから、ロジャーにかかると、こんなにシンプル。それをそのまま笑顔で続けてしまえる人なのです。 

f:id:Nak79:20160828234258j:plain

THE positive thinker, Roger Federer

フェデラー、名言、などで検索するとかなりの頻度でヒットするこの言葉、

 

I’m a very positive thinker, and I think that is what helps me the most in difficult moments.

- Roger Federer,  August 2012

 

なんとなく覚えている気がしたので調べたら、2012年の夏のインタビュー中の言葉だった。ウィンブルドン優勝、ロンドンオリンピック銀メダル、さあ全米、というタイミング。ちょうど私が試合だけでなく、ロジャーの記事までも追うようになってきた頃。

 

難しい局面に立った時、物事を前向きに捉える…
アスリートや成功者ならよく言いそうなフレーズに聞こえなくもない。でもそうしてロジャーを見続けてきたこの数年は、本当にこの言葉どおりだったと何度も確認し、感心する日々だった。そして「前向き」の程度が突き抜けていると私には感じられた。

2016年、ウィンブルドン以降の大会を怪我の影響ですべて欠場すると決めたロジャー。
今この前向きさがまた一層発揮されるとき。

f:id:Nak79:20160808012906j:plain

 

2016年8月8日、35歳のロジャーの誕生日に、ひっそりブログを始めます。

このブログでは、ロジャー・フェデラーの言葉をたくさん紹介していきます。前向きな考え方はもちろん、テニスへの愛情や取り組み方、家族や同僚への思い…世界中のファンがプレー以外にも魅力に感じていることの端々を、切り取って見せていければと思います。プレーに関して語るブログではありません。ファン、というかダイハードファン目線の切り口ですので、少々の(いやかなりの、笑)イタさには目をつぶっていただければ幸いです。