by gones~ロジャー・フェデラーの言葉

"by gones" = 「前向きに!」 テニスプレーヤー、ロジャー・フェデラー語録。完全なるファン目線です。

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《番外編》 スイス旅行~街の観光(後編)

番外編が続きます。2015年9月、デビスカップの期間に合わせ、スイスへ飛びました。初スイスでした。テニスの試合以外の、観光の部分を写真で紹介しています。前編はこちら。 


2015年9月17日~23日@スイス

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3日間のテニス観戦が終了し、日程も残り少なくなってきました。

 

バーゼル
終日フリーはこの日が初めて。最終目的地はチューリッヒだけど、その前に寄るところがある。列車の中で、車内アナウンスがフランス語からドイツ語に変わる。目指すのは、ロジャーの故郷、バーゼル。駅に降りて、プラットホームの駅名表示を見ただけでもう感動している。

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外に出ると、路面電車が入り乱れ、一瞬、どこを歩いていいか迷う。着いてからずっと週末だったからか、初めて平日の、皆が仕事をしている雰囲気を感じる。歩いているとUBS銀行のビル前に「ハンマリング・マン」の巨大なモニュメントが。驚いた。少し脇にそれると、緑に囲まれた遊歩道のベンチには、ランチをするビジネスマン、社内恋愛っぽいカップルなど。そして、ライン川に抜ける。対岸に渡し船が出ている。

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今回の旅では恒例となった、とりあえず大聖堂を目指して旧市街へ、のパターンはここでも。今回は初めて大聖堂の内部にも少し入る。高台の見晴らしもよい。大聖堂前には広場があって、緑の木々の下、遠足と思われる子どもたちの集団や、思い思いに過ごす人々が。

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歩いていると、あちらこちらに美術館や博物館、しかし、月曜日なので、ほぼ全館閉まっているのであった。(そういうの多いな)ランチはガイドブックにも載っているレストランへ。皆同じようにたどり着いたのか、日本人のお客さんを結構見かけた。

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レストランの場所がショッピングストリートに面していたのでそのまま買い物へ。おもちゃ屋さん、雑貨屋さん、スーパーで、結局ほとんどのお土産をここで揃えた。もちろんリンツも。途中にあった小ぶりな噴水でペットボトルに水を汲む子どもたちがいる。(え?それ飲めるの??)一番たくさん買い物をした雑貨屋さんは、ひとつひとつの商品をとても丁寧に包んでくれた。(またもや親近感)しかし丁寧すぎて結構時間がかかる。地元の方に、バスの時間があるから先にレジいいかしら?と声をかけられた。(その時間の感覚にまた親近感)歩道にロジャーの名前も見つけた。

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さて、名残惜しいけれど本日の宿があるチューリッヒに移動しなければ。駅ではテニスのバーゼル大会の宣伝パネルを見たけれど・・・うーん、出場しない人もでかでかと写ってますが・・・(それいいの?)

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チューリッヒ
チューリッヒでは、街中ではなく、ちょっと趣向を変えてケーブルカーを使うような山の中のホテルを予約していた。そのため、チェックインの前に食事をすることに。ここからのレストラン探しが試練だった。石畳の道で、スーツケースを引きずるのはなかなかつらい。私は帰国してもしばらく、手首に腱鞘炎のような痛みが残ってしまった。やっとガイドブックを頼りにたどり着いたお店は満席。はあ、脱力。隣の、ちょっとカジュアルなお店に落ち着く。旅はやっぱり食事場所が重要だ。ここまででお気づきのとおり、今回はテニス以外の下調べがおろそかで、最後のディナーがこんな感じになってしまい、とても反省。さすがに歩くのに必死で、このくだりの写真が残っていない。途中で見つけたリンツの大きな広告を貼っておこう。

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ホテルに着いた頃には、そろそろ日付も変わろうとしていたのではないだろうか。さすがのぼってきただけあり、夜景がきれいで、疲れも少し癒された。一夜明け、朝も同じように見晴らしが抜群だった。

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最終日。今日はもう出発するだけなので、チューリッヒの観光をする時間はない。その代わり、朝食後ホテルの周りを散策することにした。緑の山道を少しのぼると、ケーブルカーが通過するのが見える。鉄道ファンよろしく、シャッターチャンスを待つ。朝の新鮮な空気を吸い、短いハイキング、気持ちのよいお散歩だった。

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ホテルに戻ってくると、地元の方と思われる老夫婦に話しかけられる。このホテルはそろそろ改装するのだそうだ。最後の姿を見られたかもしれない。ほとんど滞在時間がなかったので、今度はもう少しゆっくり訪れたい。

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ケーブルカーに乗って街の方に戻る。このケーブルカー、乗り場からすでに急こう配で、待つ間も踏ん張ってないとよろよろするほど。あ、乗客の中にコープのショッピングバッグをもったご婦人が。なぜそれに着目するかというと、ロジャーがプラクティスに持ってきてひとしきり話題になったので(笑)思わず写真を撮る。

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駅から空港へと確実に出発が近づいている。とても名残惜しい。旅行の最終日はいつも帰りたくないけれど、今回の旅は、初、ロジャー生観戦という何物にも代えがたい経験と、時間が圧倒的に足りない観光、というふたつが共存していて、大満足だけどまだまだ足りない、という気持ちだった。今度は観光だけで、絶対に戻ってこようと思いながら、デ杯の記事や写真が載っている新聞を胸に、飛行機に乗った。(完)

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観光したというよりは、ひととおり街を見てきた、と言った方が正しいかもしれません。施設が閉まっていたとか、食事の場所をさまよい歩いたとか、そんなことが多いレポートでした(汗)試合日程により、この曜日を避ける、という選択肢があまりなかったのです。などと言い訳をしつつ、また行かなくちゃ、という決意の後押しにしています。

最後に、一緒に行ってくれたお二人へ、もしここを見てくれていたら、観光場所の選択も行く前から誘導してしまった気がしますし、現地では色々と旅にありがちなミスもおかしましたが、本当にありがとうございました。

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《番外編》 スイス旅行~街の観光(前編)

「スイスに行ってきました」というと、氷河特急とか?マッターホルンとか?という質問もそれほどされたわけではないですが(え)普通はそういうことですよね。ですが今回はメイン→テニス観戦でしたので・・・ 

 

 

 

合間合間に(かろうじて)訪れた街の様子を、前・後編に分けて写真とともに綴ります。番外編は続くよ・・・

 

2015年9月17日~23日@スイス

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ジュネーブ
デ杯の会場palexpoは、ジュネーブ空港駅と直結。ジュネーブ駅から空港駅までは10分弱の乗車。この往復が、観戦3日目になるころにはおなじみとなり、こんな光景にも遭遇。デ杯ならでは。

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ホテルから歩いてすぐのところにローヌ川レマン湖モンブラン橋が旧市街と駅側の中心街を結ぶ。大噴水が吹き上がるのを見ながら橋を渡るとそこは旧市街。ブランド店が立ち並び、なるほど歩いている人もセレブ感ただよう。

 

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坂の多い横浜育ちで慣れっこではあるものの、石畳の急こう配はなかなかのもの。こっちは何だろう?と気ままに道をそれると、坂の途中に(隠れ家的?)レストランや、片隅にはロボットみたいなかわいい消火栓。

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のぼりきったか、と思ったところでサン・ピエール大聖堂の屋根がお目見えする。その大聖堂からすぐのところにたまたま見つけたかわいいクレープ屋さん。今日のディナーはここで決まり。外観だけでなく、クレープもかわいい。色もきれい。

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別の日の午前中、お子さまが喜びそうな観光列車に。モンブラン橋を渡ってイギリス公園の周りをぐるっと廻る。噴水や大聖堂も違った角度から。

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レマン湖/ラヴォ―地区》
デ杯期間中はジュネーブ側に滞在だったので、レマン湖沿いの街へ行くか、湖をクルーズしようと事前に計画していた。時間とも相談し、行き先はワイン畑の広がるラヴォ―地区に決定。湖沿いに列車は走り、1時間ほどでヴヴェイ駅に到着。そこから、ワイン列車とも呼ばれるローカル路線で最終目的地、Chexbres-Village駅へ。

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それにしてもこの路線、最初の駅までは歩いてもいけそうだぞ、という距離で速攻停まるのにびっくり。え?もう?なんて思っているうちに、景色がそれらしくなってくる。

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駅を降りるとまず、駅かわいい。(ワイン列車は普通の車両で、写真中の汽車ぽっぽではないです・・・念のため)例によってテニスの試合までの時間しか許されていないので、駅周辺を散策するにとどめる。葡萄農家かな?と思われる家並みを抜けると一面のブドウ畑。青空と緑のコントラストが本当に美しかった。いいお天気。

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湖沿いの街、次回はモントルーまで足を延ばしたいな。できればモントルーのジャズフェスのときに。

 

ローザンヌ》 
ローザンヌと言えば、タイムリーな話題では、IOC国際オリンピック委員会本部)がある場所、駅舎にも五輪のマークが。でも私たちにとっては、何と言ってもスタンの故郷。本当はもっと長く訪れたかったのだけど、スケジュール的に試合後のディナーだけになる。

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駅に着くと、そろそろ日も暮れはじめ、急ぎ大聖堂の方面へ、旧市街に入る。ここでも石畳の急こう配。今回の旅一番の急坂。これは足腰が相当鍛えられるね、雪降ったら歩けるのかな、と、ひ弱な都会人的見解などこぼしつつ。

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のぼってのぼって、いったん視界が開けたところで目にしたのは、サン・フランソワ広場と教会。ひっそりとした佇まいだわ、などと思っていたのだけど、それもそのはず、今日は日曜日、しかも日の暮れそうな時間、となれば、この広場から続くショッピングストリートのお店も、ほぼ全部閉まっているのだ。人通りが、ない。ショッピングストリートは、ウィンドウディスプレイだけで魅かれるお店が軒を連ねている。でも、暗い。ちなみに、引き続きのぼっている。

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また視界が開けたところで左に目をやると、現れた大聖堂。車やバスが慌ただしく行き過ぎる背景に、ゴシック建築が映える。暮れていく街。

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それからまた少しのぼりくだりして、本日のディナー場所が決まる。たまたま行きついたカフェバーは、live musicをやっている日もあるらしい。今日で終わってしまったテニス観戦を、それぞれ撮った写真とともに振り返りながらの、楽しくて名残惜しい食事だった。

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夕食後、すっかり暮れて、駅へ戻る。坂を下るのはすごく早く感じたのは気のせいだろうか。さて、テニス観戦も終わり、明日はジュネーブを発つ。(後編に続く・・・)

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《番外編》 スイス旅行~デビスカップ観戦(後編)

前回から、昨年のスイス旅行回顧録を始めました。 本日後編です。

 

到着から3日目にして、初スイスの割には私馴染んでいるんじゃ?なんて思いながら、いや、思えば出発前から、スイス人(要するにロジャー)と私たちって似た感覚持ってるかも、と(無理やり)思えるエピソードが結構あったよ・・・と前置き長くご紹介したところで、いよいよ会場でロジャーのプレーを目の当たりにした感想に入ります。(遅い)ちなみにプレーや試合の解説はしていませんけども。(え)写真は多めです。

 

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目の前でウォームアップが始まった時は、本物だ、という興奮がありながら、テレビで見るのと同じフォーム、動きをしてる、と少し冷静な自分もいた。

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1日目のシングルスは、スタンのあとにロジャー。スタンがフルセットで予想以上に紆余曲折して勝った後の登場だった。スイスの観衆は、スタンのアップダウンに合わせてかなり白熱した。会場も、スタンが勝ち切っていったん一息入れた感をそのまま引きずっていたかもしれない。ずいぶんと落ち着いた会場になった(笑)

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その雰囲気で、私も冷静に見れた部分もあったのか、ひとつひとつ、目に焼き付けなくちゃと思って気持ちを静めようとしたのもあったのか。目にも焼き付けたいが、写真にも残したい。でもロジャーはとにかく速い。速すぎてブレブレになるか、すぐフレームアウトされてしまう。こんなところで速さを感じることになるとは(笑) 速いと言えば、この年の夏に生まれたスーパーリターン、sabr (sneak attack by roger) も何度か目にすることができた。成功は・・・あまりしていなかったかな。

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今回の相手はオランダだったが、ロジャーとスタンが両方出場する時点で、選手のランキングにも差があり、最初から普通にやれば勝てる、という雰囲気だった。なので、それほど試合に緊迫感はなく、全米オープンの直後ということもあり、正直ロジャー疲れてるかな、という様子も見えた。2日目のダブルスはスタンが怪我で出られなくなり、ロジャーとマルコの幼なじみペア。もちろん一緒に勝てれば申し分なかったけれど、それは叶わず。途中マルコサーブのとき、1stか2ndかでロジャーは前後にポジションを変えるのだが、あれ?次は2ndだから・・・えーと・・・?と何度も迷って行き来していた。やっぱりちょっとお疲れモード?フルセットで惜しい負けだったが、どこかで、3日目シングルスで勝つからそれで許してね~というのがロジャーの中にあったのではないだろうか。

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あくまで想像でしかないけれど、相手が超強豪ではないという状況の他に、スイスというホームならではのリラックス感もあった気がした。ロジャーは、どこの国で試合をしてもホームになる、と言われるくらい世界中のファンに大人気だが、各国から詰めかける熱狂的なファンよりは、自国のファンは落ち着いているのではないか。単に、自分の国の選手だから応援している、というケースもあるだろうし。もともと自然体なロジャーだけど、そんな自国ファンが9割がたを占め、幼なじみや親しい仲間たちとプレーできる今回の会場では、より素になれて、ほっとできて、リラックスできるのかな、と思ったりもした。

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そんなわけでベンチ後方席で彼らの後ろ姿を眺めながら、この3日間の幸せをもう一度かみしめる。そして、ツアーで、グランドスラムで、さらに緊迫した試合を戦うロジャーもliveで見てみたいな、という欲も出てくる。ロジャーとスタンのフェデリンカダブルスがなかったのは少し残念だったけれど、2014年の優勝の余韻がたくさん残ったこの会場で、"BREAK" と "HOP SUISSE" が裏表になった例のハリセン応援ボードを掲げて周りに溶け込んだ気になってみたり、優勝杯と写真を撮ったり、何より3日連続でロジャーが見られて本当に至福の時だった。

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最後にスイスチームのジャージを記念に買う。会計をしてくれたお兄さんが、おまけでスイス国旗の十字つきのバックをつけてくれた。見たところ他のお客さんにはそんなことはしていない。ああ、これはもしかして、カード使える?とか、日本から行くよ、とかさんざんツイッターで送ってたから、この会場ではめずらしいアジア系の私たちを見て、あの質問してきてた日本人じゃないか?とわかってくれたのかな、なんて、ほらやっぱり気配りがステキだ、なんてにやにやしながら、会場をあとにした。(完)

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《番外編》 スイス旅行~デビスカップ観戦(前編)

今回からは番外編、ということで、昨年のスイス旅行回顧録を写真とともに綴ってみたいと思います。2015年9月18日から20日まで、スイス・ジュネーブで行われたデビスカップ(国別対抗戦)を見に行ってきました。初ロジャー、初スタン、初スイス。スイスに行っているのに定番の山岳方面にはいっさい行かず・・・(でも街はちょっと観光したんですよ、苦笑)まずはメインイベント、デ杯のお話です。(前・後編)

 

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日曜日のdead rubber、幼なじみ3人衆が談笑している横で、弟分はスマホをいじっている。試合が終わって、リラックスムード。

3日間のデ杯が終わってしまう・・・という寂しさと同時に、何とも穏やかに流れるこの時間。この心地よさは何だろう。勝ち抜けが決まった安堵?3日続けてロジャーの試合を見れた満足感?こうして自分の試合が終わっても後輩の応援に出てきた姿を見られた嬉しさ?それとも、この会場に足を運んでもう3日目という慣れ?かなぁ・・・

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私は、自国ではない国を応援するために、十数時間もかけてスイスまで国別対抗戦を見に来てしまうような、あイタタタなファンなので、ロジャーの故郷であるスイスに、「慣れた」感を出したかったのかもしれない。3日目にして、もう馴染んじゃってるよ、という多少無理めな感覚などを。それは今に始まったことではない。思えば結構前から、そうだよね、わかるわかる、私たちって感覚似てない?からの、やっぱりスイス好きだわ~の流れができていた。

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あれはスイスに来る半年くらい前、スタンの地元の雑誌が、スタンのお誕生日特集を組んだ。各選手やコーチからのお祝いメッセージの中に、もちろんロジャーのそれもあった。ネットで買えるか検索していたところ、どうやら定期購読を申し込むしかなさそうだった。そこでダメ元でその雑誌社に1冊だけ買えないか尋ねてみたところ、なんと、タダで送ってくれるという返事が来た。もうここで十分嬉しかったのだが、その後のメールのやり取りもとてもスムーズで、しばらくすると、その担当者が休暇に入るので別のスタッフに引き継いでおいたよ、という連絡が来た。日本に1冊タダで送る件、なんて、後回しにしてもいい案件に違いないのに。それまで色々な国の人たちと仕事で関わる機会があったが、いつのまにか担当者が辞めていたなんてのはしょっちゅう。電話したらスタッフ皆で外にバレーボールしに行っちゃったから誰もいないと言われたこともあった。日本人と同じと思ってはいけない、むしろ日本人は働き過ぎだよね、と何度も思わされてきたのに…あれ?同じ感覚でもいいのかな、と思った瞬間だった。

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この旅行のためにたくさんの下調べをした。ツイッター上で、会場でグッズ販売を管轄している会社に、カードは使えるか?と聞いたり、Swiss Tennisには、「準備万端で~す」と、応援ネイルの写真を送ってみたり。 

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あげくの果てにはチューリッヒ空港のアカウントに、空港のcredit suisseのバーチャルロジャーはどこにある?と質問したり。(結局arrivalのターミナルが違ったのでロジャーには出会えなかったのですが、これです↓)すべてにちゃんと反応があった。この一連のやりとりにもしっくりきた。

 

デ杯を見に行こうと決めたのは、シルバーウィークで続けて休みが取りやすかったことの他に、やっぱり前の年のスイスデ杯優勝に感動したあとだったから。本人たちもスイスにとっても狂喜乱舞な出来事に間違いはないのだが、印象深かったのは、表彰式の彼らの姿。どことなく控えめな感じがした。決勝はホームではなかったし、27000人収容の巨大な会場を埋め尽くしていたのはほとんど相手フランスの観衆、という状況ももちろんあったけれど、仲間内でかみしめるような、それでいて誇らしさが内からにじみ出ているようなあの姿。これにも、なんとなく通ずるものを感じた。

 

その誇らしげな笑顔を見合わせて、チームでデビスカップを掲げる大きな写真が、会場のあちらこちらに掲げてある。1日目にこの会場に着いたとき、駅を降りてpalexpoの会場名とともにこの写真が目に入った時の、ほんとに来た、来てしまった、という気持ちは忘れられない。一気にテンションがあがり、足早になったのを覚えている。この会場は2014のデ杯準決勝が行われた場所。決勝進出を決めて、ロジャーが肩車された場所。この場所で、私にとって初めてliveで見るロジャーのプレーだった・・・(後編へ続く)

 

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(最後に、2014準決勝から)

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the day will come~2015.6.29 CNNインタビュー その6

その5は怪我についてでした。 

 

その6でこのシリーズ最後となります。引退についてです。しょっちゅう聞かれてます。それはもう何年も前から。

 

        

 

偉大なビリー・ジーン・キング(女子テニス界のレジェンドです。現在72歳)は、あなたのテニスをバリシニコフらのバレーダンサーになぞらえて表現することがある。もちろんバリシニコフはもう引退している。あなたも、ラケットを置くときが来たと、考えることはある?

(Interview by Christiane Amanpour, 今回抜粋個所は、6:09頃から)

 

I think hopefully never, really, you know. But maybe on a professional level, you have to eventually because the body or the mind will just say, you know what, it's been great but let's do other things in life as well because it's only a short span of your life. But let's make the most of it. And then I hope I still play for fun with my friends, with my kids, with my wife in the future. So I'll never probably really retire. But the day will come and I'll be totally happy probably doing that as well.

 

できればそんなことは一生考えないで済めばいいと思うよ。でも、恐らくプロとしては、いつかはそうしなきゃならない。心や体が告げるときがくる、すばらしいテニス人生だった、だけど、そろそろ違うこともしようか、とね。現役時代は人生の中の短い期間でしかないけど、できる限り充実させて、そのあとは、できれば友人や、子どもたちや、妻と、楽しみでプレーはしたいと思うよ。だから、完全にラケットを置くということにはならないかもね。でも、引退の日はやって来る、そしてそのときには心から満足してそうすることになると思うよ。

 

2016年、シーズンのほとんどを欠場という、苦しいシーズンを迎えている今を含めても、チームとの話し合いの中に引退に関する話題は一度たりも出たことがないと、コーチのセヴェリン・リュティがつい最近も話していました。引退考えてる?まだないよ。の問答が定期的に繰り返されるのですが、私たちもその度にホッとはするものの、もう近ごろは、いちいち聞かなくていいよ、という気分にもなりますね(笑)

まだまだまだまだ(祈)

今回がシリーズ最後ということで、改めて動画を見直してみると、引退話の時でさえ、本当に穏やかな笑顔でしゃべっていますね。英語をただ読むよりも、顔を見ている方が伝わってくることがあるなあ、なんて、思ってしまいました。

まずここまで、お付き合いありがとうございました。

 

 

a lot of right decisions along the way~2015.6.29 CNNインタビュー その5

その4はご両親についてでした。 

その5はキャリアにおける、怪我についてです。これは2015年のインタビューなので、まだ今年初めの膝の手術を経験する前のこと。終わってみれば6つのツアータイトルを獲得し、2つのグランドスラムで決勝に行った2015年でしたが、今年は、大事にしていた4度目のオリンピック出場も断念し、ウィンブルドン以降の大会をすべて欠場、キャリア初と言える怪我に苦しみながらのシーズンを送っているロジャー。改めて今聞くと、ちょっとほろりとしてしまいますね。

 

         

 

下の世代も出てきて、あなたはもう年長と言われるかもしれないが、結果を出せると証明してきている。技術的なことだけでなく、自己管理やフィットネスにおいても、ライバルが幾度となく怪我に悩まされる中、あなたにはここまで長くプレーし続けるすべがあるようだけど?

(Interview by Christiane Amanpour, 今回抜粋個所は、1:27頃から)

 

Yes, that's the thing. I've been somewhat lucky as well to stay injury free, because you can always get unlucky and break something, tear something. And that just goes with -- it just happens. So for me, I've never had to have surgery; I've never had an injection. Having to play with painkillers; fine. I've had to do that. But other than that, it's been very much focused on healthy lifestyle, enjoying the traveling, the practice, the matches, having the right team around yourself. My wife's obviously been the rock behind it all. She's been with me throughout my first title until today. So she's incredibly important. So just looking at all these things I've done probably -- taken a lot of right decisions along the way.

 

そういうことだね。それに、怪我なくキャリアを過ごせている僕は幸運だと思うよ。どこかが折れてしまう、断裂してしまう、というアンラッキーなことは、いつでも起こり得ることだからね。そういうことはつきものだから。僕の場合、手術をしたことも、注射を打ったこともない。痛み止めを飲んで試合をしたことはある、そのときはそうするしかなかったからね。でもそれ以外には、健康的な生活をして、旅を、練習を、試合を楽しむこと、自分のそばには、適切なチームを置くことに、ただただ力を注いできた。妻はすべてにおいて大きな支えだよ。彼女は僕が最初にタイトルを手にしたときから今までずっと一緒なんだ。だからとてつもなく重要な存在だよ。こうして今までやってきたことを全部振り返ってみると、その時々で正しい判断をしてきたんだと思う。

 

2016年2月、膝の半月板損傷により初めての手術を経験します。それまでしないできたことがどんなに幸運だったか、と度々話をしています。だから最初に手術が必要と聞いたとき、どこかで自分には無縁だと思っていたものが現実になりショックだったとも。そして、これまでがラッキーだったのだから、と受け入れて、長期間休むことを決断。「その時々の正しい判断」が、今年は今まで以上に必要だったかもしれません。でもその決断の裏には常に、今後のキャリアを少しでも長くするため、という最優先事項が見えました。それが、ファンにも希望の光となっています。

いやしかし、ミルカ様が登場しますね~そこそこ唐突と言えなくもない流れで、笑。いつだってミルカミルカなロジャーです。

 

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very realistic about my chances~2015.6.29 CNNインタビュー その4

その3は、奥様と双子の子どもたちについてでした。 


今回は、ロジャーのご両親について話している部分です。

 

           

 

現状、テニスをやっている多くの子どもたちにはプレッシャーがのしかかっていて、コート上で泣いたり、カッとなったり・・・あなたもちょっとそういう時期があった、ということだけど(※その2でもそのような話をしています)ご両親に追い込まれて、ということではなかったんでしょう?

(Interview by Christiane Amanpour, 今回抜粋個所は、5:05頃から)

 

I think we were very realistic about my chances. We didn't believe that I was going to be a successful professional tennis player -- maybe a successful junior on a local or national level, yes, fine. But not internationally, really competing at Wimbledon to win.
So for my parents very much just strict in the sense that it's supposed to be a privilege to go to practice and go to matches on the weekends. So please put in your best effort, just like for us, you know, because it does cost money. And it's our time. Otherwise we'd rather spend it with your sister or our friends and you do the things at home around the house. So I got that message eventually and I understand very clearly what she meant because I have kids of my own now and of course when you put in the effort, you at least would like your kids to give you their best effort as well.

 

僕の可能性を、とても現実的に見ていたんだと思う。まさかプロのテニス選手として成功するなんて・・・。ジュニア時代なら、もしかすると地元で、あるいは国レベルではまあ結果を出せるかもしれない、だけど国際大会で、ましてやウィンブルドンで優勝を争うような選手になるなんて思ってもいなかった。両親からすれば、単純に厳しい目で、週末に練習や試合に行けるのは恵まれたことなんだから、私たちだってそのために力を注いでる、だからあなたもできる限りの努力をしなさい、ということだったんだ。なぜならそれにはお金もかかるし、両親の時間を使っているんだからね。一生懸命やらないなら、その時間で両親は僕の姉や自分たちの友人と過ごせる、僕は家のことを手伝えばいい。やがては、それがどういうことなのか理解したよ。自分も子どもを持った今なら、はっきりとわかる。僕らが努力してさせていることには、子どもたちも同じように、ともかく一生懸命取り組んでほしいと思うからね。

 

ロジャーは自分の子どもたちに、自分が有名選手であって、こんな成績を残していて、というような話は詳しくしていないそうです。ガールズにランキングの話を少ししたけど、ふぅん、という感じだったと最近も言ってました、笑


ナニーを何人も雇って、世界中のファンから子どもたちにもプレゼントが届いて、などとよく言われていますが、ツアーを一緒にまわっている時点で、自分の子ども時代とは明らかに違う生活、だけどそれがロジャーの子どもたちには日常。一般家庭にはない経験をたくさんさせながら、ご両親のとても常識的な考え方も同時に伝えようとしているのではないかと想像しています。

 

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