by gones~ロジャー・フェデラーの言葉

"by gones" = 「前向きに!」 テニスプレーヤー、ロジャー・フェデラー語録。完全なるファン目線です。

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Holding Serve with Roger Federer ~2017.4.29 Tennis Channel インタビュー その6

今回も、その5に引き続き、膝のけがでツアーを離脱したとき(2016年)のお話が続きます。

前回のその5はこちら。

抜粋部分は9:28から10:45ごろまで。

How do you get to do that like you are still in your career and you have this long break and it does you nothing but good, I mean weren't you downing that or wasn't always daunting? 
現役中に、そんなにも長い休みを取って、それがいい方向にだけ働くなんて、いったいどうしたらそんなことができる?落ち込んだり、くじけたりしないのかしら?

Yes, you doubt yourself because I haven't been in that position before, if that would have happened to me at 22,  let's say like okay, you know even if I'm out for 2 years, I'm still young and I still be okay, but time is not really on my side now anymore and you feel like every year that goes by chances are slimmer slimmer for you to win against the best, to win the biggest tournaments so that was for me the biggest worry. I knew I was gonna be able to come back in some shape of form, the worst case for me was maybe I'm gonna be back for 3-4 tournaments and just say okay I know my knees are not good, but let me just play a few more, enjoy myself and then call it a day, but so the unknown was just like how much would the knee at the body allow me to play and I had a great build-up, I think I got really rejuvenated and fresh and ready and excited to come back on tour again and I was finally able to speak differently to the press and everybody and just tell everbody how little expectations I really have, because for the last 15 years always said more or less I want to win the next tournament that I enter because that was reality and because of this injury it's sort of reset everything and it was a beautiful thing. 
もちろん、自分を疑うよ。こういう経験をしたことがなかったからね。もしこれが22歳のときだったら、「よし、これでたとえ2年休んだって、まだ若いし大丈夫」となるけど、時間はもう僕の味方ではない。トップ選手に勝って大きい大会で優勝すること、そのチャンスはどんどんわずかなものになる。それが一番心配なところだった。ある程度の状態には戻せることはわかっていたよ。最悪のシナリオは、3つか4つくらい大会に出たところで、「うん、膝の状態はよくならないな、じゃああと少し大会に出て、楽しんで、それで終わりにしようか」となること。でも膝が、どれくらい持ちこたえて僕にプレーをさせてくれるのか、それは未知だった。(長く休んで)いいトレーニングができて、元気を取り戻し、フレッシュな状態で準備は完了、これでツアーに戻るのが楽しみ、となれたんだ。メディアに対しても、ここへ来てはじめて言ったのは、本当に自分への期待をしていないということ。この15年、大会にエントリーすればまた勝ちたいと、いつでも言ってきたし、それが現実だった。この怪我で、そういうすべてをリセットしたような状況になって、それはすばらしいことだったよ。

何度も言っていますが、2016年長期離脱→いきなり2017年最初のグランドスラム(全豪)で優勝、その後の春のアメリカでのマスターズも2大会連続優勝、ということを成し遂げてしまったので、(その時期のインタビューなので)なんでそんなことできるの?ってなりますよね。ええほんと、バケモノなんです。こんなに可愛いけど(え)

セレナ・ウィリアムズが、今まさに行われている全米オープン(2022)を最後にキャリアを終えるということになり、連日すごい盛り上がりなのですが、1回戦を勝ったあとのインタビューで、はじめてこんなに「ただこのコートに立つことを楽しめばいいだけ」という心持ちで試合に臨めている、というようなことを言っていました。試合に出れば勝つのが当たり前、決勝に行けないだけで「え?どうした?もう時代が終わったか?」などと言われてしまうバケモノたちが持っている共通の感情なのでしょう。勝たなきゃいけないし、もちろん勝ちたいし、という状況が10年も20年も続くって、とてつもないことですよね。2017年の優勝ラッシュのときのロジャーは、自分に過度に期待しなくていい状態でリラックスして試合に臨めたことが快進撃の要因のひとつ、とよく言っていました。

写真は2019年Hopman Cupでのセレナ様とロジャー